通勤から仕事、遊びにツーリングと様々な用途で使用されるスーパーカブ
そのチェーンはカバーに覆われて、
風雨やホコリ等からチェーンを守ってくれているので、
よほどのことでは油切れなどになりませんが、
それでも定期的なメンテナンスは欠かせません。
今回はその駆動力を伝えるという大切な役割を持った
ドライブチェーンの調整とメンテナンスについてご紹介します。
今回はスーパーカブ90で行いますが、
基本的な方法はスーパーカブ50もカブ110もリトルカブも同じになります。
5分でできるクラッチ調整の方法はこちら!
まずはチェーンの状態の確認
スーパーカブのチェーンは、
チェーンカバーに覆われているので、
日頃パッと見ではどのくらい錆びてしまっているとか、
たるんできているというのがわからなくなっています。
なのでチェーンケースの下部に、点検用の窓が設けられています。
同乗者用のステップの付け根にある黒い蓋がそうです。
この蓋は樹脂でできているので、
マイナスドライバーなどで少し浮かせてやるとすぐに外れます。
スーパーカブの場合、センタースタンドを立てた状態で調整するのが正解です。
センタースタンドを立てた状態で整備してください。
点検蓋を外して目視で点検してみました。
窓の下ギリギリの位置までチェーンが下がっています。
ドライバーなどでチェーンを持ち上げてみると、
遊びが40mmほどありました。
正規の調整幅は10mm~20mmですので、
約2~3倍たるんでしまっていることになります。
この程度のたるみでしたら、
実は乗っていてもあまり不具合はないんです。
それでもこのくらいのたるみの頃から、アクセルのオンオフの時に、
車体が前後にゆすられるような感じが大きくなり始める頃です。
もっとひどくなってくると、カッシャンカッシャンと
金属製のチェーンカバーと派手な音を立てて擦れてきます。
そんな音を立てて走っているスーパーカブを見かけたことがあるはずです。
そのまま放置すると、最悪チェーンカバーに穴が空きます。
チェーン調整に必要な工具
チェーン調整に必要な工具をご紹介します。
左から10mm、14mm、19mm、23mmのコンビネーションレンチ
そしてマイナスドライバーです。
結構力をかけるので、できるだけメガネで作業してください。
実際にチェーン調整していきます。
まずは車体左側、一番外の、19mmのナットを緩めます。
結構カッチカチに締め込まれていることが多いので、
固い場合はCRCなどを染み込ませたり、
鉄パイプでメガネを延長する形で力をかけると良いです。
完全に緩めなくても、緩んで2回転ほどさせれば十分です。
次に一番大きな23mmのナット、
このナットはアクスルシャフトの反対側の14mmのボルトを抑えていないと、
供回りして緩みません。
なので、こんな感じにしてサスペンションに引っ掛けておいてやると、
自動的に供回りを防止してくれます。
このナットも2回転も緩めれば十分です。
これでリアタイヤの軸、アクスルシャフトが動くようになりましたので、
調整用ナットを動かしてチェーンの張り具合を調整します。
この10mmのナットを、締め込む方向に回せば、
つまり時計回りに回せば、アクスルシャフトの位置が後方へ引っ張られ、
チェーンの張り具合がピンと張る方向へ変化します。
あまり一気に調整せず、少しずつ様子を見ましょう。
反対側にも同じものがありますので、
できるだけ同じ量を回転させましょう。
今回はちょうど半回転ずつ締め込みました。
左右の締め込み量が違うと、
リアタイヤが進行方向に対して、斜めになってしまいますので注意が必要です。
チェーン調整ナットにはメモリもありますが、あまり精度が良くないので、
車体後方から離れてみて、目視で斜めになっていないかチェックすると良いです。
そこまで神経質にバッチリ合わせる必要もありませんので、
できるだけ合わせればよいです。
半回転ずつ締め込んでみて、
チェーンの位置がこのくらいになりました。
ドライバーで押上げてみると、たるみは15mmほどのようです。
今回は一発で決まりました!
ここで注意して欲しい事があるのですが、
チェーンは均一に伸びているものではないですから、
リアタイヤを回しながら確認すると、
たるみが大きくなったり小さくなったりするのが確認できると思います。
これを偏伸びといいますが、この伸びが一番小さいところで調整してください。
一番たるみが大きいところで調整すると、
バッチリ調整できたように見えても、
たるみの小さいところで張り過ぎになります。
あとはチェーンルブなどお好みのオイルを散布して完了です!
チェーンの注油や清掃方法はこちらをご覧ください!
お疲れさまでした!